大雨のあと

今日は大雨。
警報も出ましたので、子供たちはみんなおうち遊びです。
絵を描いたり楽器を使ってあかちゃんと遊んだり、
お勉強したり本を読んだり…。
ひと通りしつくしても、まだなお時間はたっぷりと残っています。

午後になると空も明るくなり、鳥のさえずりが聞こえてきました。
とたんにみんなそわそわ。
私も気分転換に外へ出てみたくなりました。

みんなで雨上がりの池へ探検に行こう!

ずぼんのすそを長靴の中にぴっちり入れて、いざお出かけです。
まずは家の前の水路の中をのぞいて、その流れの速さに歓声をあげる子供たち。
山の方へ向かって歩いていく道中、かえるや沢蟹が子供たちの案内役をかって出てくれます。
お寺の東の山すそに、緑色に美しくたたずむため池があるのですが、
大雨のあとは一体どんなふうに変わっているのか確かめに行こうと思ったのです。
池に着くと、意外と何の変わりもなく、当然水位の調節がちゃんとしてあるのでしょうね、
こどもたちは少し肩透かしを食らったようでした。
それでも、半日家の中でちめちめと遊んでいた彼らにとって、
山の空気と青い水面はちょうどいい息抜きになったようで、
草を手に取ったり、石を池に投げ入れたり、網で何かをすくったり、
思い思いに静かな時間を過ごしていました。

私はあかちゃんを抱っこして、池のほとりを歩いていました。
ふと、森の茂みの間に、今まで気がつかなかった小道を見つけました。
きれいに下草の手入れもしてあり、子供連れでも入れそうです。
思い切って、その小道に足を踏み入れると、私の足は止まらずに、どんどん歩きだしてしまいます。
でも大丈夫。
何か面白いことが起こった、と感じたのか、
知らない間に3人の子供たちは私の後ろから付いて来ています。

湧き水なのか、雨の水なのか、
ちろちろと足元で透き通った水が流れたり、また溜まったり、
長靴を履いているせいか、怖いものなんてないという強気な気持ちで、
じゃぶじゃぶやりながら歩くのはとても楽しいものです。
そしてみんなそれぞれに発見したものや気が付いたことを、
はやる気持ちを抑えながらわれ先にとおしゃべりを繰り返し、
私に抱かれたあかちゃんも、手を空にかざしたり、足をばたばたさせたり大喜びです。

わたしたちは水生昆虫などの採集や観察にちょうどいい沼をふたつ、見つけました。
そこで遊びたい、
いや、今日のところはこの新しい小道がどこまで続いているのかを調べるのが先だ、
うんうんそうだ、と名残惜しくも沼を後にして歩き続けます。
びっしりと若々しい緑色の苔に覆われた木の幹を見たり、
見たことのない葉っぱをちぎってみたり、
大きな竹の皮を見つけてお弁当に使ってみようかと相談したり。
ずっと先へ続く緑の絨毯に覆われた細い道は、
雨上がりの青空を背景に露の光で輝きを増し、
まるでその景色は遠近法を使った絵画のようです。
こどもたちはベタベタな関西弁で、
「なあなあお母さ~ん、なんか、絵~みたいやなあ~!」
「ほんまや、絵~や絵~!」

三兄弟たちはあかちゃん連れの私に気遣い、
毛虫がいたり、水溜りが深かったりすると、
まるで手柄でも立てたかのように得意げに教えてくれます。
「お母さん、気~つけて!」

変わった様子のキノコも発見しました。
「お母さん、キノコが!」
「見たことのないキノコ!」
「カメラ持ってきてないなあ!」
「今度これを撮りにこよう!」
どれどれと、子供たちの足元を見てみると、
本当に、見たことのないおもしろいキノコでした。
チョコレート菓子で、アポロというのがありましたが、
傘があのようにぎざぎざと凹凸になっています。
凸の部分が茶色で、あとはベージュです。
ん~!写真に撮りたい!
という気持ちを抑えて歩きだし、
見上げると背の高い竹のトンネルが。
今までの湿っぽい山道とはまた違った、
竹林独特の研ぎ澄まされ、透き通ったような空気に包まれた空き地に出ました。
「また絵~みたいなところやな~」
ここが、この小道の終点のようです。

歩いているうちに、どんどん下へ降りてきていたようで、
数メートル下のアスファルトのバス道は、
毎日子供たちが学校へ通う通学路です。
新しい発見と束の間の冒険に胸をときめかせていた子供たち。
それが、いつもの通学路のすぐ近くの出来事だったということで、
よけいに興奮しているようです。
そうしながら、来た道を引き返し、もといたため池に着きました。
帰るときは、行きの半分もないくらいの速さで、着きました。

帰宅後、思いのほか長い冒険になったせいもあり、
軽い疲労感に襲われて、あかちゃんと一緒に横になりました。
あかちゃんは十分好奇心を満たされたようで、
いつもよりも瞳を大きくさせて、満足しきったようすです。
わたしもなんだか、満足です。
白漆喰の壁に、暮れるでも暮れないでもない日の光がやさしく反射し、
生ぬるいような空気と混じって、部屋に漂っています。
そのうち、5時を知らせる村のチャイムが鳴りました。
大雨が降らなければ全く違っていたはずの一日、
思いがけない発見と冒険、
ここちよい疲労感、
ノスタルジックな5時のチャイム。
ここまでシナリオがそろったならば、私はこのまま目を閉じ続けよう。
あとのことは、誰か、が、なんとか、してくれる…。
by o-beikokuten | 2010-05-24 22:25 | つれづれ
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