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朝早く、骨董市に行きました。
ガラクタにまぎれて、見覚えのある顔が、ありました。
白いのと黒いのと。
岡本太郎の作った、陶器のオブジェです。

以前訪れた知り合いの家の庭にさりげなく、岡本太郎の顔が置いてありました。
庭木の根元に立てかけるように、土の上にそっと、もしくは、無造作に、置いてありました。
それが私には粋に見えた記憶があります。

そんなことを思い出して、私はその変色し、ほこりにまみれた顔を買うことにしました。
帰宅して、ちょっと気が向いたので車の中を掃除していたら、
岡本太郎の本が一冊出てきました。
またいつか読み直そうと、目に付くところに置いておきたかったのですが、
車のドアポケットにあることがいつの間にか当たり前になっていて、
ずっとそのままだったのです。
その日は家にもって帰り、新しい気持ちで読みました。

私が本を読んでいると、冬休みの日記の宿題をしていた慶次郎が言いました。
「あ、詩ができた。」
どんな詩?とたずねると、
「ボクはどうして生きているんだろう
 生きているとどうして食べるんだろう
 ボクが生きていることを、他の人はどう思っているんだろう」
それを聞いた私は息を飲みました。
私もちょうど次男と同じ3、4年生の頃、日記に書きました。
「時は何に向かって進むのでしょう
 死に向かって進むのでしょうか」
「私たちがアリをみつめているように
 何かが私たちを今にも踏み潰そうかどうか迷いながら
 眺めているのではないでしょうか」

先生からの返事は多感な少女だった?私を傷つけるようなものだったので、
返事をもらったその日から私は先生のことが嫌いになりました。
例えば、こうです。
「この文章は、何から写したのですか。」

これは傷つきますよね。
しかも、この頃はローマ字を習い始める頃なので、
全部ローマ字で書いたその時のベスト作品なのですよ。
それも絵入りの。
先生からは何か面白いヒントがもらえると思っていたので本当にがっかりしました。

でも、だから、次男が形而上学的なことを口にし出したことを、
私はうれしくもあり、ちょっと心配でもあり。

三兄弟を前に、こんな質問をしてみました。
「地球って、滅びると思う?
 滅びるとしたら、滅びないように努力するべきだと思う?」

長男:滅びるか分からへんけど、滅びないようにがんばる。
        (と、学校の環境学習が行き届いた回答。)
三男:さらば~♪ 地球よ~♪
        (これはあかんわ。。。)
次男:滅びる!
    だって、有るというものは、無くなるものやから。
    どうやったって無くなるやろう。
        (むむむ!)

そこで私は岡本太郎の本から一説を紹介しました。

    いずれ滅びるだろう。
    生物は栄え、そして滅する。
    永遠に滅びないなどと考えるほうがおかしい。
    人類がこの世界に出現した、それは当然、いつかは消え去ることを前提にしているはずだ。
    めそめそと悲しみ嘆く必要はまったくない。
         中略
    無目的にふくらみ、輝いて、最後に爆発する。
    平然と人類がこの世から去るとしたら、それがぼくには栄光だと思える。

それを聞いた次男は、
「じゃあ、岡本太郎はボクとおんなじやな。」

そう、ほんとに岡本太郎は小学三年生の次男と同じなのかもと思いました。
くったくがなくしがらみがない。
骨董市で自分の作品ががらくたにまぎれて売られていて、
それもそういうものだとどこかで思っているだろうと思いました。

その顔は、私の小市民的に埋没する生き方を見て笑っているかのようで、
そんなことを岡本太郎は面白がっているように思います。

思うように生きられたら、信じることをつらぬけたら、
煮えきらず惰性が蔓延する世の中をばっさばっさと切り倒していくことができたら、
どんなに気持ちよく、だけどどんなに危険なことだろう。

私はやっぱり自分の家族、周りの人々のその日その日のうれしい悲しいに
標準を合わせた眼鏡をかけて暮らしているので、
つまるところ、まずはこの小さな輪と和をいかに無事に回していくかということに
たどり着いてしまいます。

時々、その眼鏡を外して物事を見るのですが、
眼鏡はかけていたほうが、一見賢そうに見えるので、
外れそうになったらすぐにかけることにしています。

ただ、ちょっと庭先に視線を移したら、TAROの顔があるっていうのは、
刺激的で魅力的です。

最後に、次男ばなし。
兄弟で本を見ながら占いごっこをしているときに、長男から次男への質問。
長男:自分には人には知られたくない一面があるか、ないか。
次男:ある!

まだまだ小さな9歳の男の子で、この子のことならたいてい何だって知ってるわなんて
思っている私ですが、こうして毎日目の前で暮らしていながら、
頭の中ではいろんなことを考えて成長しているんだろうなあ、
長男と三男に関して心配と言えばちょっと平凡すぎるところが心配で、
次男に関してはちょっと多感なところが心配で、
考えていたら自分のことや周りのこと、心配だらけで、
まあ、そう言わず、あるがままに、とにかく、やることです。
はい、明日からたまった仕事やっつけます。
by o-beikokuten | 2011-01-11 22:24 | こども