アホやな~

おいしいお米とごはんのお店がはじまりまして半年。
お昼寝大好きな私が目覚め動き出して半年。
働いています。
お昼ごはんのほうはお陰さまでずいぶん先まで
予約がいっぱいの状態で過ごしています。
でもお米屋さんだと知らないでいらっしゃるお客様も多いので、
これからはお米の販売にも力を入れたいところです。

目下の悩みは三男カンザのぜんそくが前より頻繁に
起こるようになったことで、なぜなのだか、とりあえず、
そろそろ生活の見直しをしなくちゃいけないかなと思っています。

今日は村の秋祭りで朝から子供たちは大張り切り。
だけど朝から少し風邪気味だったカンザは
予想通りお祭りが終わる頃には体力の限界で
ぜんそくひゅーひゅー。
それで行き付け?の救急病院で受診しました。

受診が終わり会計を待っている間、
私とカンザの前には
刺繍入りの赤いハデハデ長袖ポロシャツを着た、
立ち居振る舞いからすると、
学校へ通っている頃にはずいぶんやんちゃをしたというような、
おじさんというのにはまだ早いかな、
そんな男の人が座っていました。
私とカンザは見るともなしにその人を見ていたわけなのですが、
背後で病院入り口の自動ドアが開き、
小学校低学年くらいの男の子がご機嫌斜めな様子でぴょこぴょこ登場し、
その男の人のところへ来たのです。
やはりその男の子も真っ赤なポロシャツ、しかし半そで、を着て、
膝をすりむいたのか少し血が出ていました。

なんやおまえ、コケたんか。
あっほやな~。
ほんまあほやな~。
ほら座れ。
と長袖父ちゃんは言いました。
長年の日焼けが板につき、おそらく実年齢よりは多くシワのある顔を
笑顔でくしゃくしゃにしながら。

半袖息子は自分の失敗を悔やんでか
行き場のないイライラをお父さんに向けるかのように、
隣に座るお父さんのわき腹をグーでボコボコ殴り始めました。
すると長袖とうちゃんはすかさず息子の首を片方の腕で自分の脇に抱え込み、
またまたくしゃくしゃ笑顔で
殴るな殴るな、ほれほれ。
とされるがままに言いました。

半袖息子のパンチはだんだん弱くなり、
すぐに長袖父ちゃんにしなだれかかるように寄り添い、
父は息子の、さらさらセミロンゲを額のほうから頭の後ろへかき上げながら
なで始めました。
微笑み、息子を見つめながら。
そしてついでに、じろじろ眺める後ろの席の、
私とカンザにもくしゃくしゃ笑顔をくれました。

そうそう、息子を撫で回す長袖父ちゃんの左の指と言ったら、
一本ありませんでした。
なんでなくなっちゃったのか、なかなか聞く勇気もありませんでしたが、
そうしているうちに、長袖父ちゃんの妻、半袖息子の母であろう女性が
診察室から二人の待つ待合へ現れました。
すらりとしたキャリアウーマン風の母ちゃんで、
診察結果を父ちゃんに説明し始めました。
父ちゃんは要所要所で妻へ質問しながら
そうかそうかとやはりくしゃくしゃ笑顔で母ちゃんを見つめていました。

時間で言うと10分もない間の出来事でしたが、
どうしてこんなことを取り立てて書くのかといいますと、
やっぱり感動したからなんだと思います。

子供にしろ夫婦にしろ、
愛って理屈じゃないんですね~。
先日なんて、
男の子ってどうやって育てるの?なんていう本を
衝動買いしてしまいましたが、
もっと早くこの親子に出会いたかったです。(のら談)
by o-beikokuten | 2007-10-21 19:38 | つれづれ
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